下手の長糸上手の小糸 【手縫いの糸の長さ】

去年末まで16年タイのバンコクに住んでいました。
タイは縫製の歴史が長く、例えば「ボタン」や「ダーツ」など日本では外来語から来ている縫製用語でもちゃんとタイ語があるんですよ。

洋服の作り方も日本の文化式とは違うんだけど、私が思うに、日本式洋裁は着物文化からきているようで和裁の影響を強く感じます。

例えば、しつけ糸は「いろも」や「しろも」と呼ばれている綱のような形状にまとめられた綛(かせ)タイプの長いものが今でも洋裁で使われているようです(海外ではミシン糸のように糸巻に巻かれているものが多いです)。
曲線がほとんどない和裁には「運針」といって長い糸でばっさばっさと直線を縫っていく方法がありますが、その名残でしょうか、洋裁のしつけでも針に長~~い糸をつけて通すたびに右腕を天井まで伸ばして時にはそれが絡まって・・・みたいに苦労されている日本人生徒さんをよくみかけました。

ことわざにも「下手の長糸上手の小糸」とあるように、手縫いの糸は短めにするのが効率的ですぞ!!

まず、その長い糸を通す運動量?と時間がムダ(笑)
絡まるリスクも高くなります。

「糸さばき」の技術を向上させるには短めにしてね。


え?「だって短い糸なら針穴に通す回数増えて面倒」?


では複数の糸を通した針を用意しましょう。3本の針に糸を通して、全部使ったら空の針3本に糸を通す!
いっぺんに入れたほうが時短ですからね。

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